酸素添加酸素

空中の酸素が呼吸によって取り込まれ、体内のアミノ酸やタンパク質などに直接付加されて化学変化を起こすときに働く酵素を、酸素添加酵素と言います。従来、ドイツの生化学者ウィーランドなどによって、酸素が直接生体内で有機物に取り込まれることはなく、呼吸によって体内に入った酸素は有機物から水素原子を奪い取る役をするとして脱水素学説として知られていました。酸素が有機物に付加される反応も、有機物がら水素を奪いとる反応も、ともに酸化反応と呼ばれていますが、一見、違う反応のように見えますが、酸化反応としての効果は同一です。生体内の酸化反応は脱水素反応のみであると考えられていました。京都大学医学部の早石修は、生体内で酸素が直接、有機物に付加される反応があり、その仲介の役をするのが、酸素添加酵素であることを明らかにしました。

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