細胞培養

細胞の集りである組織を生体から取り出して、培養液の中、あるいは培養基に養うことは古くから行なわれ、組織培養と言われていますが、単独の細胞を取り出して、同じように培養することを細胞培養と言います。ネズミのガンの一種である腹水ガンの細胞を単独に堵養することに成功していますが、人の白血球は培養され、人の染色体を調べることにも利用されています。最近、植物の胚の細胞や形成層の細胞、腫ようの細胞などを細胞培養することが行われていて、スチュワードは、人参の形成層の細胞の細胞培養に出発して、完全な人参の個体を育てる事に成功しました。稲の花粉、一種の細胞を培養して、稲にまで育てることも行なわれています。細胞培養をしている間に、ときには倍数性の細胞のできることがあります。細胞培養によって細胞の塊はできても、その生物の形を作ることには困難があり、人参は、その可能な例です。